・健康であるときに認知症を予防します。
・発症しても早期に治療し、中等度になったときは進行を遅らせます。
・重度になっても人間としての一生を全うしていただくために、以下の項目を共に勉強していきましょう。
認知症とはどういった状態をいうのでしょうか。
認知症の一番のリスク(危険因子)は加齢です。
年齢を重ねると、様々な原因で脳の細胞が衰えていったり、壊れていったりします。
そのため、記憶力や判断力、集中力などが徐々に低下していき、
物忘れや出来ていた事ができなくなったりするのです。
しかも日常生活に支障をきたす状態をいいます。
中核症状 | 脳の障害により起こる症状で、すべての認知症の方にあてはまる症状です。 | |
①記憶障害 | 記憶が抜け落ちる。食事をしたこと自体を忘れるなど。 | |
②見当識障害 | 時間、場所、人がわからなくなる。 | |
③実行機能障害 | 計画を立てて実行できない。料理が上手に作れなくなったなど。 | |
④判断力低下 | 料理・計算・運転などのミスが多くなった。 職場での仕事に支障をきたすようになったなど。 |
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⑤失語 | 読む、書く、話す、聞くなどの言語機能が失われる。 ものの名前が出てこない。言葉の意味が理解できないなど。 |
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⑥失行 | 「さようなら」ができない。衣服の着脱ができない。立方体が書けない。指でチョキやキツネが作れない。道具の使い方がわからないなど。 | |
⑦失認 | 左右がわからない。手指の名前がわからない などが出てきます。 | |
行動・心理症状 (BPSD) |
中核症状のために、本人が落ち込んだり不安になったりした結果起こる症状です。 | |
①徘徊 ②暴力・暴言 ③幻覚 ④妄想 ⑤うつ などが出てきます。 |
認知症ではないけれど、
① 物忘れの自覚はある
② 周りの人からも物忘れを指摘される
③ しかし日常生活には支障がない
正常と認知症の間の状態をいいます。
このうち、年間約10%が認知症に進むといわれています。
軽度認知機能障害は、予防することによって正常に戻ることができる状態なのです。
認知症の人は、
・自分で自分のことができなくなること
・自分で自分のことを決められなくなること がわかっています。
だからこそ、本人の意思を尊重・尊厳に配慮することが必要なのです。
監修:医師 石戸谷 武
出典:平成28年版厚生労働白書
日本の人口ピラミッドは、高齢者が多く若年者が少ないつぼ型になっています。
出典:平成28年版厚生労働白書
日本の人口は減少しており、2025年には、高齢化率は30%となり、その後も増加傾向になっています。
65歳以上の高齢者の認知症有病率は年々増加しており、2025年には20.6%と高齢者5人に1人が認知症という状況になってきます。
©NPO法人 えひめ認知症予防クラブ